【所 信】

はじめに

 近年、我々が住むまちは深刻な課題に直面しています。人口減少や少子高齢化、そして若者の流出。この現実は地域の活力を奪い、将来の希望を失わせる大きな要因となっています。
 かつてのまちは、人と人とのつながりが強く、地域の行事や伝統が暮らしの一部として根づいていました。しかし今では、社会構造の変化や価値観の多様化、さらには新型感染症の影響によって人々の交流は希薄となり、若者たちがふるさとの魅力を見出せずに都市へ流出する姿が後を絶ちません。
 この状況を変えるために、私たちにできることは何でしょうか。それは、時代の流れをただ受け入れるのではなく、自らが変化の原動力となることです。地域の未来を他人任せにせず、自分たちの手で切り拓いていく覚悟を持つことです。そして、その覚悟を行動に移すことこそ、私たち青年会議所の使命であります。
 私は本年度のスローガンに「共創」を掲げました。それは、一人では成し得ないことも、仲間と共に、地域と共に挑めば、必ず新しい未来を創り出せるという信念を込めた言葉です。共に悩み、共に挑戦し、共に成長する。その輪を広げることが私たちの役割であり、その輪の中心で地域に希望をもたらす事業を展開し、我々が住むまちの明るい未来を築いていきたいと考えています。

■「共創」に込めた想い:仲間と地域と未来をつなぐ

 本年度のスローガン「共創」には、仲間と共に、地域と共に未来を創るという強い決意を込めています。地域づくりは、一人の力では成し遂げられません。共通の志を持つ仲間と手を取り合い、地域社会と共働することで、初めて新しい価値が生まれます。
 私たちは、地域課題に正面から向き合いながら、仲間と共に議論し、解決の道を模索し、行動に移すことで、自分たちの可能性を広げることができます。その積み重ねこそが組織の力となり、地域に信頼される存在となるのです。
 まさに「共創」の精神こそが、我々の行動の軸であり、未来を切り拓く原動力です。

■地域づくりの推進:誇りあるまちと次世代への継承

我々が住むまちに暮らす人々が「このまちで暮らしてよかった」と誇りを持てる環境をつくること。それが、私たち青年会議所に課せられた最大の使命のひとつです。
 しかし現実には、人口減少や高齢化、若者の流出によって、地域の活力は年々低下しています。かつては当たり前であった祭りや地域活動も縮小し、つながりが希薄となっている今、私たちはこの状況を受け入れるのではなく、行動によって応えていかなければなりません。だからこそ、青年会議所が地域に新たな活気と希望を取り戻す役割を果たす必要があります。
 そのためには、単発の事業で終わらせるのではなく、地域の文化や歴史を尊重しながら、新しい価値を付加して未来へとつなぐ取り組みが欠かせません。行政や企業、学校や地域団体、そして住民と連携し、対話を重ねながら課題を共有し、共に解決策を見いだしていく姿勢が必要です。また、次世代の若者たちが「このまちで暮らしたい」と心から思えるきっかけを提供し、次のリーダーが育つ土壌を整えることも、私たちの大切な責任です。
 地域づくりの推進とは、事業を行うこと自体が目的ではありません。地域に住む人々に誇りを感じてもらい、その誇りを次の世代へ継承していくことです。この信念を胸に、私たちは仲間と共に挑戦を続けていきます。

■会員資質の向上:学びを力に、組織を支える人財へ

 最も重要なのは、私たち自身が成長し続けることです。組織の強さは、一人ひとりの資質に大きく左右されます。人を動かす力、状況を切り拓く力、人とつながる力を磨き、地域社会から信頼される人財へと成長していくことが、私たちの使命です。そのためには、日々の活動をただこなすのではなく、そこに学びと成長の機会を見出し、自らの糧とする姿勢が求められます。
 本年度は、例会や事業を通じて、実践的な学びを積み重ねることを重視します。地域の課題を自らの課題と捉え、仲間と共に議論し、解決策を模索する過程こそが、最大の成長の場です。
 さらに、先輩諸兄や地域で活躍する方々から知見を学び、柔軟に吸収することで、私たちは多角的な視点を持つことができます。こうした学びの積み重ねは、単なる自己成長にとどまらず、組織全体の力を底上げする要素となります。
 学びを力に変え、行動で示す。それが、地域に必要とされる青年会議所の会員の姿であり、組織を支える人財の条件です。一人ひとりが主体的に成長することで、私たちの組織は強固な基盤を築き、変化する時代に対応できる力を持つことができます。
 本年度、私たちはその歩みを止めることなく、未来に誇れる人財を一人でも多く育てていきます。

■仲間と共に持続可能な組織へ:少数精鋭の力を最大化

 美作青年会議所は、決して大きな組織ではありません。会員数の少なさは、一見すると弱点のように思えますが、私はそうは考えていません。むしろ、それは私たちの強みになり得ます。なぜなら、少数だからこそ一人ひとりの意識や責任感が高まり、仲間同士の絆が深まりやすいからです。大きな組織ではできないスピード感のある意思決定や、互いに支え合いながら課題に取り組む姿勢こそ、私たちの強みなのです。
 しかし、現実として会員数の減少は組織にとって大きな課題であり、持続可能な運営をするためには、その課題を克服しなければなりません。そこで、本年度は「効率化」と「拡大」の両立を図ります。
 まず、ITツールやオンラインの活用により会議や事務作業の負担を減らし、時間を有効活用することで、限られたリソースを最大限に生かします。
 そして、会員拡大に向けて積極的なアクションを起こします。私たちの運動・活動に共感し、共に未来を創る仲間を一人でも多く増やすことは、組織の存続だけでなく、地域の未来に直結する重要な使命です。
 さらに、ただ人数を増やすだけでは意味がありません。私たちが求めるのは、志を共にする仲間です。同じ理念を共有し、共に悩み、共に挑戦できる仲間を迎え入れ、信頼関係を築くことで、私たちはより強固で柔軟な組織になります。
 少数精鋭の強みを活かしながら、その輪を少しずつ広げることで、私たちは「持続可能な組織」へと成長していきます。そして、そこには常に「仲間と共に」という強い想いがあります。

■おわりに

 今、私たちが立っている場所は決して平坦な道ではありません。人口減少や若者の流出、地域コミュニティの希薄化といった課題は、私たちのまちに深刻な影を落としています。しかし、だからこそ、この現状を変える主体者として、私たち青年会議所が存在しています。課題を嘆くのではなく、その解決に向けて行動し、希望を生み出す。それこそが、私たちに与えられた使命であり、誇りです。
 本年度のスローガンである「共創」は、単なる言葉ではありません。一人ではできないことも、仲間と共に、地域と共に挑むことで未来を切り拓けるという、強い信念の表れです。共に悩み、共に考え、共に汗を流す。その過程で築かれる絆こそが、次代を担う力となります。私たちはその絆を広げ、深め、確かな未来へとつなげていきます。
 この一年、私たちは地域に必要とされる事業を展開し、会員の成長を促し、組織の持続可能性を高めていきます。それは容易なことではありません。しかし、仲間と共に挑戦し続ければ、必ず成果を生み出すことができます。そして、その先にあるのは、地域の希望であり、私たちが誇りを持って語れる未来です。
 最後に、私たち一人ひとりが「共創」の精神を胸に、地域と組織と自身の未来を切り拓くために邁進してまいります。先輩諸兄、関係各位の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますことをお願い申し上げますと共に、1年間、何卒よろしくお願い申し上げます。