【所 信】
はじめに
1975年5月25日。史上581番目のLOMとして産声を上げ、明るい豊かな社会の実現を目指して運動を展開してきた美作青年会議所は2024年度をもちまして創立50周年を迎えます。半世紀という長きにわたり、先輩諸兄の皆様が紡いでこられた歴史に対して感謝と尊敬の念を抱くとともに、「後世に繋ぐために今なにを実現するべきか」本気で考え実行する節目の一年になると捉えています。
まちづくり、ひとづくりにおいて「あるもの探し」という考え方が大切です。人は皆、慣れ親しんだことに対して、ないものねだりをしてしまいます。以前、ある会員が他LOM会員に対して地域資源が豊富にあることを羨む発言をしたそうです。その返答は「美作にも豊富な地域資源はある」。湯郷温泉、湯郷Belle、宮本武蔵生誕地、国際サーキット、長福寺の三重塔、黒豆・桃・葡萄等の作物や美しい茶畑…、余り有る地域資源の数々を並べられ、その会員は返す言葉がなかったそうです。2020年から約3年半苦しめられた新型コロナウイルス感染症が5類
移行、感染対策が大幅に緩和された今だからこそ会員全員が新鮮(FRESH)な目で「あるもの探し」をし、まちづくりのできる魅力的な人財として運動を発信し続けていくことで、美作青年会議所のブランド力を高めていけると確信しています。
組織の枠を超え、関わるすべての人々が師であり友であるという謙虚な心を持ち、次の51年、そして100周年へと繋いでいくために志高く、地域課題解決に向かって全力で邁進していく。それこそが、若い我らができる最上の地域貢献だと私は考えます。
後世に繋ぐ環境整備
これからの美作青年会議所を考えるうえで、会員拡大手法の定着と、事務局の効率的な運営は重要な要素であります。また、コロナ禍の事業開催自粛による影響で認知度が低下する中、より良い未来を目指し自らの環境整備を行うことが必要だと考えます。行政やマスメディア関係者、外部協力者をはじめとする地域の方々にいつでもご来訪いただける事務局。2022年を機に深めてきた事務局IT化をパッケージとして容易に引き継ぎできるものにすることは後の組織運営に不可欠なものであります。そして、新鮮な手法で地域の方々の目に触れる機会を増やすことで、自らが動くだけでなく対象者の方から興味関心を持ち、訪ねて来ていただけるような「自然と仲間が集まる組織」になることができると考えます。
会員の誰もが組織の一員として新しい価値を見出し、地域社会に理解者を増やしていけるよう協働して参りましょう。
EQ(心の知能指数)を向上し周囲を巻き込める
リーダーの育成
人間一人ひとりの個を尊重し、様々な価値観を共有する多様性の時代と言われている昨今。旧来、人財評価の要件であった、豊富な知識を持ち、頭の回転が速い人。つまり、IQ(知能指数)の高い人というだけではリーダーとして生きづらい社会になっています。リーダーとは、夢を語り、進むべき方向を示し、皆を導ける人であります。嬉しい時は笑い、悲しい時は泣く。怒ると眉間にシワが寄る。そんな人間の感情を上手く管理し、利用する能力をEQ(心の知能指数、感情能力理論)によって高めることで会員の人間的魅力を引き出し、周囲を巻き込めるリーダーの育成に繋げます。さらに、会員個々人に注目し、情報共有や発信することで会員同士の新たな交流が生まれ、誰もが主体性を持ち、運動に参加し続けることができる風土を築いて参りましょう。
結びに
「僕らが子供の頃、目に映る世界は新鮮ですべてが新しかった。やりたい事は何でもできた。ところが年をとってくると疲れてくる。人々は諦め、みんな落ち着いてしまう。世界の美しさを見ようとしなくなってしまう。」
日本人で初めて世界最高峰エベレストに登頂した植村直己氏は多くの人がやがて夢を失っていくことを嘆き、次世代の若者たちに「やろうと思えば何でもできるんだ」とエールを送っています。明るい豊かな社会の実現を本分とした我々JAYCEEが持つ「若さ」を最大限に活かし、勇猛精進の覚悟を持って臨んでいく所存であります。
末筆ながら、先輩諸兄、関係各位の皆様におかれましては2024年度も美作青年会議所に対しまして格別のご支援とご協力、ご指導とご鞭撻を賜りますことを衷心よりお願い申し上げます。