はじめに

一昨年から新型コロナウィルスの感染拡大により、今まで当たり前にできていた事業が当たり前に開催できなくなっています。事業を行うためには日々変化する情勢を踏まえ臨機応変な対応力が必要となっています。今までの常識が通用しない中ではありますが、ピンチをチャンスと捉え変化を恐れず、また今までの伝統をただ思考停止で引き継ぐのではなく、その伝統が生まれた本当の真意をしっかり考えて、時代に即した形に変化させなければなりません。

10年前、私が美作青年会議所に入会した時、OBでもある父に入会したことを話すと「JCおもしろかろう?」と父は嬉しそうに聞いてきました。当時、JCについて何もわかっていなかった私はその言葉が実感できず曖昧に返事をしてしまったことが記憶に残っています。入会から今までのJC活動を通して多くの経験をさせていただきました。予定者となった今、少しずつ父が言った言葉がわかるようになってきました。コロナ禍で活動を制限される現状でもメンバー全員で考え「おもしろい」と思えるように動いていきたいと考えています。

会員一人ひとりが日々変化する状況に対応し、自己を成長させ、地域に夢のある明日をもたらす事業を実現させましょう。

理事長 中山 敦雄

夢のある地域の再興

私が子ども頃、地域の花火大会などのお祭り、子ども会の旅行が本当に楽しみでした。その当時の地域の大人の努力により、子ども達は笑顔で過ごすことができました。少子化、そして新型コロナウィルス感染拡大の問題もありますが、大人になった私たちは、当時、大人達にしてもらったことを子ども達へ与えられているでしょうか。子どもの頃の楽しい思い出が、自分達の地域への愛情を育む原動力になると私は信じています。そして、子ども達が「自分達の地域が好きだ」という思いが、夢のある地域への不可欠な要素です。

 我々の事業を通じて、子ども達が感受性を育み、また仲間たちと協力する大切さ学び、そして自分達が住む地域に愛情を持ってもらい、自分の夢への原動力の一助となる事業を展開します。

 「自分達の地域が好きだ」という子どもが増えることが明るい豊かな夢のある地域をつくることに繋がると考えます。

明日への人材の育成

新型コロナウイルス感染拡大の影響は社会・経済へ甚大な損害を与えています。私は一番重大な損害は、私たちの心の中に与えた先の見えない不安だと考えます。出口がなかなか見えず、コロナ前の世の中に一体いつ戻れるのか皆、心の中に不安を抱えています。しかし、このまま不安にかられていては、現状を打破することはできません。この不安で混沌とする世の中の荒波を突破し、withコロナを生き抜く人材とならなければなりません。そのためには、アンテナをしっかりと張り様々な成功事例を学び、実践できるよう積極的に自己研鑽を行うことが必要です。

 美作青年会議所には先輩の方々が築いてこられた歴史とネットワークがあります。その歴史あるネットワークを駆使して、地域の方々、行政、企業、他団体そして先輩諸兄の皆様から積極的に学び、また地域の問題点、私たち美作青年会議所が抱える問題が何か本質を捉えることは自分自身を成長させる絶好の機会となります。問題の本質を捉え、解決策を考え、実行する経験は、必ず会員一人ひとりが抱えるそれぞれの仕事や家庭の課題を解決する力となり、明日のこの地域を支えるリーダー育成に繋がると考えます。

仲間を増やし持続可能な組織へ

美作青年会議所も現在会員は12名であり、組織運営を行うには非常に厳しい人数となっています。全国的にも青年会議所の会員は減少の一途を辿っており、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響により全国各地の青年会議所の会員の中には「JCどころではない」という声も少なくありません。しかし、そういった社会状況だからこそ共にそれぞれの置かれた苦境を会員同士で共有し合い、助け合い、互いに成長し合うことが大切です。それができるのが美作青年会議所だと私は信じています。会員拡大を積極的に行い、共に信頼し合える仲間の輪を広げていくことは重要な課題の一つであり、会員一丸となって取り組んでいきたいと考えます。

 また会員数が減少する中、組織を運営するためには効率的でローコストな組織運営を行うことも必要です。インターネットFAX、クラウド会計システム、ネットバンク等のIT技術を取り入れ、標準化し、人的な負担を減らすことで持続可能な組織運営を行います。  青年会議所は、「SDGs(持続可能な開発目標)」を推奨する団体であり、そのためには、まず私たち自身が会員を拡大し、組織運営を効率化し、持続可能な組織とならなければなりません。

おわりに

私たち美作青年会議所が置かれている状況は、社会情勢や会員減少により厳しい状態ではあります。しかし、この危機を機会だと捉え前向きに行動し、「夢がある 明日がある 家族が笑顔になる」青年会議所や地域を目指して邁進してまいります。

 先輩諸兄、関係各位の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますことをお願い申し上げますと共に、1年間、何卒よろしくお願い申し上げます。